2023年2月10日、人事参謀は「転職参謀」に改称いたしました。
北陸電力 辞めたい

北陸電力を辞めたい方の教科書|退職理由や後悔、市場価値や転職方向性まで

悩めるビジネスパーソン

北陸電力株式会社(陸電)で働いています。
北陸地方の中では、恵まれた年収や労働時間であることは分かっています。
しかしながら、あまりにもやりがいや成長がなく、周りは働かない中高年ばかり。こんな職場にいては、会社員として幸せになれないと毎日感じています。
北陸電力を辞めることについて、人事のプロとしてはどう思われますでしょうか?

 

今回は日本の大手電力会社の一角である、北陸電力株式会社について扱う。

北陸電力株式会社を辞めたい方の教科書」と題して、元・北陸電力株式会社社員の退職理由辞めた後の後悔市場価値、進路に至るまでを記載していく。

 

初めて訪れた方のためにお伝えしておくと、当サイト「人事参謀」は以下の経験を持つ人事・転職のプロフェッショナルが執筆している。

筆者の専門性や実務経験に基づき、机上の空論を一切除いて本音で執筆しているので、安心してお読みいただきたい。

  • 4回の転職を経て、30代前半で東証一部上場企業(現・東証プライム上場企業)の人事執行役員/年収1,800万に至った経験
  • 難関企業における勤務経験(外資/日系、大企業/ベンチャー、戦略コンサル)
  • 人事面接官として多数の候補者の面接を行った経験
  • 人事マネージャーとして転職エージェントや転職サイトを活用し、採用を実施した経験

 

この記事を読むことで、北陸電力を本当に辞めても良いのかの決断が容易になり、退職後のキャリアが明確化することを約束する。

 

齋藤
筆者は個別企業の「辞めたい方のための教科書」を多く執筆しているため、他の離職率が高い企業と比較しての特徴等も含めてご紹介します。

 

北陸電力は監督官庁に従う準公務員的文化。年功序列で意思決定が遅く、先が見えない

まず、北陸電力を辞めたい人は多いのかどうかについて記載する。

結論から言えば、潜在的に辞めたい人は多いが、地域的に「辞めた後のキャリア」が描きにくいため、実際に辞める人はそこまで多くない会社である。

 

OpenWork(旧・Vorkers)の口コミから分かる北陸電力の組織風土を見てみよう。主に「辞めたい」につながるネガティブなコメントを抽出している。

  • 国からのトップダウン体制。監督官庁(経済産業省、資源エネルギー庁等)から箸の上げ下ろしまで指導されるので、過度に慎重で保守的な風土
  • 稟議プロセスが多段階で、意思決定までに多大な労力を要する
  • 総論賛成・各論反対の文化
  • 基本的に古い体質。年功序列で意思決定も遅く、財務状況も悪い
  • 最近ようやく新しいことを始めようという姿勢を出しているが、手遅れ感がある
  • いかに同業他社と同じ意思決定が出来るかが勝負

 

齋藤
公務員体質の企業ではよくあることですが、ネガティブなコメントの方が圧倒的に多かったです。
さらに、(これも公務員体質の企業ではよくあることですが)コンプライアンス意識は高いというコメントがよく見られました。

 

次に、北陸電力について、OpenWork(旧・Vorkers)やリクナビ等のデータから分かることを見てみよう。

  • OpenWorkによると、平均残業時間が23.2h、有給休暇消化率が64.8%と、電力・ガス・エネルギー業界の中では平均的な労働環境
  • OpenWorkの組織風土スコアによると、電力・ガス・エネルギー業界の平均と比べ、「法令順守意識」が高い一方で、他は全体的に低め
  • 有価証券報告書によると平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は21.9年程度である。年齢構成は完全にトップヘビーな逆ピラミッド型
  • 実際に、Google検索における「北陸電力 辞めたい」の検索数は多い(月あたりで数百回検索されている)

 

労働環境の数値や組織風土スコアから見ると、北陸電力は「昭和的な大企業病」の典型的要件を満たす。

  1. 労働環境は、数値的にはホワイトな部類
  2. 同調や法令順守は得意
  3. 年齢ピラミッドが逆三角形になっており、若手が成長しない

 

以上より、北陸電力は基本的にはホワイト企業だが、年功序列・同調圧力・スピードの遅さ・新規取り組みの少なさなど、「先が見えない」古い企業の典型例であり、辞めたい若手は非常に多い会社であると言えるだろう。

その一方で、北陸地方という場所の関係上、周囲に一流企業が多いとは言えず、「北陸地方では良い方だから」という理由で退職を躊躇する人も多い企業である。

 

OpenWork(元・Vorkers)から見る北陸電力の退職理由

各企業の退職者による口コミ情報サイトであるOpenWork(元・Vorkers)には、現時点で60件の北陸電力の退職理由が記載されていた。

ここからサンプル抽出して分析してみると、多い順に以下の退職理由となった。

  1. 仕事の存在意義を見失った
  2. 事業の将来性に不安(電力自由化等)
  3. スキルや成長に不安(周囲に有能な人間がいない等)
  4. ルールが多すぎる
  5. その他(待遇が悪い、年長者がすべて正しいとする風土、等)

 

上記の理由のうち、北陸電力に特有の理由は①と④である。

単調な仕事の中で、何のために働くのかのやりがいや意義を見失った、というコメントが最も多かった。これは筆者の知る限り、北陸電力だけでみられる特徴である。

 

また、監督官庁の指導の下に動いていることから、ルールが多すぎるという退職理由も多かった。

ルールでがんじがらめの会社は多いが、それが退職の明確な理由になってくるというのはなかなか異常である。これもかなり珍しいケースだと思う。

 

まとめると、ルールに縛られてやりがいもない、ロボットのような毎日の繰り返しにやられた退職者が多いように見受けられる。

これは、特に成長ややりがいを求める若手社員にとっては辛い環境である。

 

北陸電力を辞めたら後悔するか

北陸電力を辞めたいという方の中には「辞めたら後悔するのか?」が気になる方もいるだろう。

結論から言えば、「再就職先が北陸地方であれば、後悔する可能性はある」が筆者の回答である。

 

まず、以下のように辞めても後悔しない要素は多い。

  1. 人がどんどん辞めていく会社にありがちな7つの社風」のうち「年功序列の処遇」に強く当てはまる、古い体質である
  2. 辞めたい理由が「スキルがつかない」「やりがいがない」と明確であり、実際に北陸電力以上に「スキルがつかない」「やりがいがない」会社はあまりない
  3. 北陸電力が北陸地方では優良企業であることもあり、学歴や職歴が良い人が多く、北陸電力より良い会社に転職できる可能性も高い

 

一方で、北陸地方には北陸電力以上に良い会社が少ない。

あなたが東京や大阪等に移住することもいとわないのであれば、辞めて転職するのは良い選択肢である。しかし、再就職を北陸地方で行うつもりであれば、北陸電力を辞めて後悔する可能性はある。

 

元・北陸電力社員の市場価値と退職後の進路

さて、次は元・北陸電力社員の市場価値と退職後の進路についてである。

 

実は市場価値というものは、現在の在籍会社だけで判定するのは難しい。

【ミイダス診断は嘘】転職の市場価値はエージェントの求人で判断すべき理由」にも記載したが、本当の市場価値は、転職エージェントに登録し、エージェントが持ってくる求人で判断するしかない。

 

とはいえ、目安としての市場価値を、平均年収等から考えておこう。

 

まず、北陸電力の平均年収はOpenworkで507万円である。

これは北陸地方では良い方だが、日本全体での大企業の平均年収705万円と比べるとかなり低い。

 

次に、実際に書類選考や面接選考をしている身からすると、 北陸電力は地方公務員と同じような扱いである。

日系最大手グローバル企業、例えばトヨタやソニーでは書類選考で落ちる可能性が高く、通るとしても20代半ばまでの方が第二新卒として通る程度であろう。

 

厳しいコメントになるが、北陸電力を含めた「あまり若手が成長しない年功序列の日本企業」出身者に対しては、人事のプロとしては以下の感覚を持っている。

  • その地方やその業種において、ある程度の入社難易度があったことは理解している
  • よって学歴はある程度あるかもしれないが、若手が成長する会社だとはお世辞にも思えない。職歴や専門性としてはNGの判断
  • つまり、北陸電力にいた期間が長ければ長いほど、他で通用しなくなる。脱出するなら早め

 

一般に、こういった年功序列の企業では、若手の給与も上がらず、大きな仕事も回ってこない。

だから、脱出するならとにかくスピードが勝負である。北陸電力に長くいればいるほど、それ以外の会社でやっていける可能性が激減していくのは間違いない。

 

齋藤
転職を考えているのであれば、2~3年目までに逃げるのがベストです。

 

北陸電力社員の方が選ぶべき転職エージェント・転職サイト

北陸電力社員に限ったことではないが、希望する進路によって、選ぶべき転職エージェントや転職サイトは異なる。

 

齋藤
転職志望先の企業によって、使うべき転職エージェント(や転職サイト)が決まる」ということです。
例えば、「北陸電力社員だからこのエージェント」ではなく、「大手の事業会社に入りたい人なら、大手企業を得意とするこのエージェント」のように決まります。

 

転職エージェント選びを軽視している人も多いが、彼ら・彼女らは転職が成功するか失敗するかを決める重要なパートナーである。

 

齋藤
良い転職エージェントと出会えるかどうかで、年収だけでなくキャリアまでもが大きく変わります。
それはつまり、人生が変わるということです。

 

良い転職エージェントの条件や出会い方については、「転職エージェントの選び方の教科書|出会い方、絞り込み方、付き合い方まで」に全て書いたので参考にしていただければと思う。

大きくは以下の4つに分かれるであろう転職希望先別に解説しているので、参考になるだろう。

  1. 大企業への転職を希望
  2. 中小企業への転職を希望
  3. ベンチャー企業への転職を希望
  4. 外資系企業への転職を希望

 

まとめ

以下のような理由から、北陸電力を辞めたいと思っている社員は多い。

  • 仕事の意義ややりがいが見えないため
  • 周りに有能な人間がおらず、スキルがつかないため
  • 電力自由化等で事業の将来性が見えないため
  • ルールが多すぎるため

 

その一方で、北陸地方においては一流企業の一角を占めていることは間違いない。

よって北陸電力を退職するのであれば、北陸地方から東京や大阪等の大都市圏に出ることも視野に入れると良いだろう。

 

北陸電力での職歴が長くなればなるほど転職には不利に働くため、いずれにしても早く行動することが重要である。

逆に転職しないなら、定年までしがみつく覚悟を持つべきである。

 

転職活動の一歩目をどのように踏み出すべきか、ためらっている方はまずこちらの記事を見ておいてほしい。

>>転職がめんどくさいという方へ。ゆるゆる転職のススメ。

 

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